オレンジ色の校舎






「お前ら何してんの?」



後ろから声を掛けられた。あたしはおそるおそる振り返ると、制服姿の一馬くんがいた。



「か、一馬くんっ!どうしてここに…」



「学校帰り。進路のことで」



「一馬くんも進路のことちゃんと考えてたんだね」



「何か言ったか、遥?」



頭を軽くげんこつで叩かれた。なんで叩かれなきゃなんないの。あたし何も悪いことしてないのに。



「あら、浅井くんじゃない。学校帰り?」



「まぁ。永納はたっちーとデートか?」



「残念ながら勉強会。あっ、よかったら浅井くんも来る?ラブリーでするのよ」



え。



「まぁ小腹も空いてるし、飯が食えるなら行く」



「じゃあ決まりね。人数が増えてよかったよね、遥」



じろっと一馬くんを見ると、よろしく、と鼻で笑った。