「な、永納…それって」
「何度も言わせないで。許すってことよ」
麻衣はうつ向きながら、じわじわと赤くなっていく顔を隠す。
「永納ぁ、ありがとう」
たっちーはさっきの表情とは一変し、嬉しそうな笑みを溢した。
「2人とも、仲直り出来てよかったね」
「おうっ!電話切られた時は頭の中が真っ白になったし」
「寝坊して連絡しなかったあんたが悪い」
いつもの2人に戻ったのか、教室と同様のやり取りが行われた。
「あのぅ麻衣…あたしお邪魔だから帰るね?」
「何であんたが帰るのよ」
「だって、たっちーが勉強道具持ってきてるし…」
あ、という顔をして慌てて鞄を隠すたっちー。ほら、麻衣と一緒に勉強がしたいんだよ。
「じゃあ、あたしはこれで…」
「ちょっと待って」
部屋に荷物を取りに帰ろうとした時、麻衣に呼び止められた。

