オレンジ色の校舎






日照りの強い午後、珍しく麻衣の家に招かれた。いつもなら図書館かラブリーなのにね。



「誘ったあたしが聞くのもなんだけど、今日はたっちーはよかったの?」



「……あんな奴いいっての」



これは何かあったに違いない。麻衣の部屋に通されて静かに腰を下ろした。



「何があったの?」



話を聞くと、今日はたっちーと勉強の約束をしていたらしい。だけど、何分待っても連絡が来なくて…電話をしたら…



『ご、ごめん!昨日ゲームのしすぎで今まで爆睡してた!い、今から待ち合わせの場所に来る!』



日照りの中ずっと待ち続けた麻衣は怒りが頂点に達し、



『もう来なくていいから』



と、冷めた声を残して電話を切ったらしい。



「ね…寝坊くらい誰だって…」



「あんたも知ってるでしょ?今日が初めてじゃないって」