オレンジ色の校舎






「てゆうか遥はいいのかよ」



「何が?」



「熱ーい夏はあっという間だぞ」



ニヤニヤしながら笑う一馬くんを見て、あたしは呆れてため息をついた。



「あたし達は受験生なの。恋愛中心で夏は過ごせないっつーの」



「夏祭りとか誘わねーの?」



「さ、誘えるわけないじゃんっ。だ…だって付き合ってるわけじゃないのに…」



「じゃあ、俺と行く?…夏祭り」



は?



「あたし一馬くんと付き合ってないけど?」



「わかってるよ。友達とし…」



「お断りしまーす。どうせ、瀬川くんとのこととかをバカにするんでしょっ」



「わかってんなら言うなよ」



「か、からかわないでよっ」



でも…お祭りかぁ。友達としてでもいいから、叶うなら……瀬川くんと一緒に行ってみたいな。