─────…やっぱり、あたしだけじゃなかったんだ。
楓ちゃんや他にも誘われたんじゃん。自分だけ誘われた…とかちょっと期待しちゃった。
手に持っているみんなの分の飲み物の水滴が、腕をつたって滴る。
「そろそろ戻ろっかっ」
楓ちゃんが時計を見て笑った。あたしは返事の代わりに頷いた。
「遥ちゃん、あたし負けないからねっ」
楓ちゃんとすれ違う時にスッと言われた。振り返ると、凛とした楓ちゃんの背中が羨ましかった。
……ライバル。
まさか恋のライバルと仲良くなるなんて。楓ちゃんは…どんな気持ちなんだろう。
あたしなんかがライバルでホッとしたかな?……うん、きっとそうだよね。
「おっせーよ、遥」
みんなの元に戻ると、一馬くんが待ちくたびれたように叫んだ。あたしはいそいそと飲み物を配ったのだった。

