「やっぱりかー。浅井さんわかりやすいもんっ」
「えっ!嘘…」
「まぁ、気づいたのは最近なんだけどね」
まさか、気づかれていたなんて…恥ずかしい。
「だけど…よろしくねっ。ライバルだからって、そんなライバル視したくないもん」
「へ?あ…あの橋本さ…」
「楓でいいよっ。あたしは遥ちゃんって呼ぶから!」
「か…楓ちゃん?」
ライバルなはずなのに彼女はニコニコしていて、まるで友達の約束でも交わしたかのような気持ちになった。
「……ねぇ、遥ちゃん」
「う、うん?」
「遥ちゃんは今日…試合来てって朱希くんに誘われたの?」
頬を赤らめながら聞く楓ちゃんは可愛かった。
「あ…うん。他の友達と一緒に来てよって言われたよっ」
「そうなんだ。実はあたしもなんだよねっ。朱希くんったら、そんなに観戦がほしかったのかな?」
眉毛を下げて笑う楓ちゃんを目の前に、あたしは『なっちゃん』を見つめた。

