オレンジ色の校舎






「…たっちーだ」



…へ?ギュッと瞑っていた目を開けると、目の前には寝癖が目立つたっちーがいた。



「あれ?永納と浅井じゃん。おはよーっ」



「たっちー、お…おはよう」



「浅井、昨日はごめんな。てか、こんなに朝早く学校に来てどうしたの?珍しいよな?」



「誰かさんが、瀬川くんに用事があるんだって。それにあたしも付き合わされてるの」



あたしをチラッと見た麻衣。あたしは慌てて下を向いた。



「…浅井が?まさか朱希に告白でもするの?」



「ちっちち…違うよっ。そんなんじゃな…」



「おぉ、おはよう健真!…って、浅井と永納じゃんっ」



たっちーが『おっす、おはよう』と返した。振り返るとエナメルを持った…瀬川くんがいた。



…ドキン。



「早いね?何かあったの?」