オレンジ色の校舎






ま…また行こうって…2人、じゃなくて麻衣とたっちーを含む4人ってことだよね?



メールなのにこんなにドキドキしちゃってるよ。



昨日、一馬くんと…相合傘したけど、瀬川くんに傘を借りた今日の方がドキドキは大きかった。



「…あ…朝練の後とか…大丈夫かな?」



「ふぁぁ…いつでもいいんじゃないの?」



次の日、朝早く学校に来ていたあたしはそわそわしていた。隣には眠たそうに欠伸をする麻衣。



「てゆうか、朝早く来る必要あったの?」



「だ…だって…タイミングが無いじゃん。だから…朝がいいかなと思って…」



朝早く来たのは瀬川くんに傘を返すため。『傘くらい普通に返せるじゃん』と言う麻衣だけど…普通になんてわからない。



瀬川くんと普通に接するなんて…今のあたしには無理だよ。



「あ。あれ部活動生じゃん。瀬川くんいるんじゃない?」



麻衣が顔をあげて体育館を見つめた。自然と傘を握る手を強まる。そして話し声が近くなる。あたしの胸はドキドキドキドキ。



「あれ?」



う、うわぁ…来ちゃったぁ!!