オレンジ色の校舎






「……それがラブハンっていうのかぁ。美味そうだな」



少し間があったが、瀬川くんが話しかけてきた。あたしはラブハンを見つめながら頷いた。



「一口…いい?」



「あ、うん。……はい」



まだ使っていないフォークを瀬川くんに渡す。瀬川くんはラブハンを口にした。



「ん、美味い。俺もラブハン食おっかなっ」



『すみませーん』と片手をあげ、近くにいた店員に話しかけた瀬川くん。



「ありがとうな。俺もラブハンに目覚めたぞ!……なんちゃって」



「あ…ははっ。目覚めたって、お…面白いよ」



「そんな笑うなよ浅井。あっ、フォークありがとう」



瀬川くんの反応に笑わされた直後返されたフォーク。ドドドド…ドキッ。



こ、このフォークは今…瀬川くんが使った物なんだ。瀬川くんの口へ運ばれた、とても貴重なフォーク…



うわぁ…あたし手が震えてるよ。