「ま…まぁまぁ。でもたっちーと相合傘できてよかったじゃん」
「…よかったけど、アイツ場所取りすぎなんだっての」
よっぽどだったんだろうな、たっちー。あたしは静かに目を閉じて頷いた。
「あ、浅井くんおはよう」
「おはよう、永納」
すると、拗ねていた麻衣が誰かと挨拶をしだした。あたしがパッと目を開けると、
「おはよう、お子ちゃま」
一馬くんがふっと笑いながらあたしを見た。お、お子ちゃま!?
「浅井くん、お子ちゃまって?」
「あー。昨日あの後、俺の傘に遥入れたんだよ。そしたら、ガキみたいに水溜まりを避けててさ」
「…遥ったら、浅井くんと相合傘したの?」
あたしをチラッと見てから麻衣は少し驚いた表情を見せた。
「あ、うん。雨降ってたから」
「何か想いが芽生えたりしちゃったりした?」
「…!?な、何言ってんの。そんなわけ…」
「おはよーっす!カズ、それに浅井に永納」

