クリスマスの夜に…



「…夢?私、クリスマスデートしてたの…おっきなツリー見て…綺麗なイルミネーション見て…夜景見て…」

「…そう」

「すっごい楽しくて…幸せで…また来年も来ようねって、ずっと一緒に来ようねって…でもね…名前が呼べなくて…顔もはっきりわからなくて…」

「…うん」

「…お母さん…こんなにはっきりした夢ってあるの?」

「さぁ、ねぇ…」

「痛い…」

「どうした?」

「急に頭が痛くなっちゃって…私…すっごい知ってる人な気がして…誰だろ…」

「…」

「知らない?私何か忘れてない?すっごい大事なこと…忘れてるなら…思い出したいの…」

「ちょっと待ってて…」


「これを見て…」