それはいまもあざやかな……

 ママはボクのストールの反対側を握りしめて言った。



「勇二、諦めちゃいけない。助けはすぐよ。こんなところでぐずぐずしてたら、だめ。心
をしっかり持つのよ。ママがいるわ」


  

 ママがいるわ……まるでそれは呪文のように、言葉にして繰り返された。



 事故にあって、一番言いたいことがあったのはママの方だった。



 化粧気のない表情を見られまいと、決してカメラに写ることはなかったけれど。



 それ、当たり。



 パパのママは死んじゃったんだ。



 ボクは脱水するほど泣き尽くしていたので、よろよろとして泣けもしなかったけれど。



 それでお葬式の時ひんしゅくを買ったけど、でも一番つらいのは身内なんだよ! 



 陰で悪口言う人に、慰めるようなことされたくない。