「紗智どしたの?」



ぎゃー。
名前で呼ぶなー!

アホアホ遊ー!



「遊、もう行こ」

「う、うん…」



そうして、あたし達は逃げるように本屋の外に出た。



「紗智ぃ〜、誰かいたの〜?」

「いや、いなかったよ?遊の声が大きすぎたから恥ずかっただけだよ」

「ふーん。ウチそんなだった?そこまで叫んでないのにな」