キミに捧げる恋のうた

あたしを抱きしめている浪は、あたしの肩で泣いていた。


なぜかは分からないけど、泣き虫な所は変わってない。



「俺、いつも思ってた。俺のこと男として見てくれないかなって。海は知らないだろうけど、海が好きって言ってた男も、海に告白した男も全員懲らしめてやった。海が俺のことを意識するように、毎日海んちに行くようにしたし、好きという単語も使うようにしたしな。凛々といる時はなるべく人の多い所か、学校を選んだりね。ぜんっぜん変化はなかったけど」



ホントに知らなかった。

逆に幼なじみだからとしか思えなかったし。


リリちゃんとの関係もつい最近知ったばっかだし。





「だから、小鳥遊君とあたし両思いだったはずなのに振られたのね。浪、最悪」


「は?自業自得だろ。俺の前でノロケるから悪い。海さん逆恨みはいけませんねー」