キミに捧げる恋のうた

待って。

待って浪。



「嘘。好きだよ、浪」



行かないで。

素直じゃないあたしを許して。



「あたしも浪が好きなの。ずっとずっと前から」



浪が振り返ってあたしを見る。


改めて見る浪の顔は、小さい頃とは全く別人で。


大人になった浪の姿だった。





「あたしのこと幼なじみじゃなく女の子として見て?


これが言いたかったこと。昨日言ってた大切な話」





言い終わると、全身に浪の匂いがふわりと香る。

香水なんかじゃなく、ほのかなせっけんのいい香り。



「浪…?

泣いてるの?」