一瞬、ホッとした。 もしも美和から聞いた噂がデマだとしたら。 少しだけ嬉しいかもしれない。 「何でって。美和から聞いたよ。隠さないでよ」 「……ん。まぁね」 やっぱり。 一瞬だけ浪との距離が近く感じたのに、またすぐ遠くに行った。 「何、羨ましい? まぁ、海には男が出来るのいつになるかな」 「すぐできるしっ!好きな人はいるもんねー」 いないけど…。 精一杯の意地。