そして数年後--------------

美紗子は27歳になっていた。

あの頃の毅と同じ歳。

今でも美紗子は毅や姫、竜次やもっくんのお墓を定期的に訪れていた。

もちろん財布の中には5人で写ったとびっきり笑顔の写真。

それを見るたびに微笑んでしまう。

左手の人差し指に毅にもらったペアリングはまだつけている。

姫にもらったお酒は空になってしまったがヒールのお酒の容器は綺麗に飾っている。

竜次にもらった観覧車のオルゴールはたまに鳴らして眺めている。

もっくんにもらったバスセットは有難く使ったが入っていたカゴの入れ物は小物入れに使っている。

時間がたっても美紗子は4人を忘れることはない。

そんな美紗子の左手の薬指には指輪があった。

あれから2年後、25歳のときに美紗子は結婚した。

相手は美紗子の命を救った幸二。

仕事は海の近くの田舎の郵便局員で今は前に美紗子が住んでいたアパートに姉の貴子が住み、あの海の見える小さなアパートに3人で美紗子らが住んでいる。

美紗子と幸二には1人の家族ができた。

女の子で名前は優姫子(ゆきこ)。

姫から1字使わせてもらった。