あなたが初めて弱さを見せた。 「親父が死んだ」 夜中に電話がかかってきた。 あなたからの電話はめずらしくて びっくりしながら出た。 「もしもし?」 「ごめん夜中に。寝てた?」 「ううん、起きてたよ」 「ウソつくなって」 「バレた?」 「バレバレ」 いつもより元気そうな声にあたしは 違和感を感じていた。 「なんかあったの?」 「なんで?」 「なんとなく」 「わかる?」 当たり前じゃん。 ずっとあなたを見てきたんだもん。