腕の中のティナは屋敷に着いても目を覚まさなかった。



「ご主人様!」



屋敷の門まで心配で出ていたアメリアとダーモッドが駆け寄ってきた。



レオンの腕の中のティナを見て安心した表情を見せたが、レオンの表情が芳しくないのを見て心配になった。



「ティナ様は大丈夫なのですか?」



「呼ぶまで部屋に近づくな」



馬から降りたレオンはそれだけ言うとあ然となったアメリアやダーモッドの横をすり抜けた。



「エミリオ様、ティナ様はどうなったのですか?」



「ヴァンパイアに攫われたティナちゃんは薬物を打たれたんだ 今は気を失っているけれど目を覚ましたら薬が抜けるまで苦痛を伴うだろう」



「そんな……」


アメリアは目を大きく見開いた。