「ああ、そう言えば、自己紹介がまだだったね。僕はシノノメ ソーヤ。東の雲に、夜を創ると書いて東雲 創夜だ。気軽にソーヤと呼んでくれて構わないよ」
今更だなぁ・・・。
笑顔で片手を取り出したソーヤに手を出しながら、俺はぼんやり思う。
つか、〝夜を創る〟より、〝創る夜〟の方が分かりやすくないか?
「ああ、よろしく。俺の名前は・・・」
「いいよ。なんとなく分かるから。どうせ鈴木君だろう?」
・・・どういう意味だ。それは!
俺の言葉を遮っての暴言に、カチンとくるよなこれ。
しかも鈴木って・・・理由が分かりやすすぎるだけに頭に来る。
俺は一つ大きな深呼吸。
気持ちを取り直してズバリ返した。

「今、日本一多い名字は〝佐藤〟だ」

――ビシィッ

思った通り、固まったソーヤ。
分かってたことだけど腹立つなぁ。

「そ、それは済まなかったね。さと・・・」
「佐藤言ったらぶん殴る」
俺は鈴木でも佐藤でもねぇっつうの。


「いいか、俺の名前はなぁ・・・!」
すぅっと息を吸って溜め、ソーヤに向かって言い放、

「何なんだ君たちは!!」

たせろよ!人の話は最後まで聞きましょうって習わなかったのか!?