ガヤガヤと騒がしい、まどろみの混じる午後の教室。

あたしは机に頬杖をついて、ぼんやりと考えていた。

恵と、沙綾のこと。

恵はいわゆる腐れ縁というか、悪友なんだけど。

根は良い奴だし、幸せを願わないわけじゃない。

なのにどうしてだろう。

恵が初めてあたしに打ち明けた恋の始まりを、応援する気になれないのは。

大好きな親友の沙綾と恵が同時に離れていくのが、そんなに嫌なのかな。

あたしはそんなにワガママな奴なのかな。


小さくついたため息は、教室のざわめきに紛れて消えた。