恋に惑う吸血鬼



『に、おう、くん…何、だか気持ちが悪、いんだ、けど……』




あ、決して仁王君が嫌な訳じゃないんだけど…。




「そんなん、分かっとる」




もしかして、また心を読んだとか。



……一々そんなことしなくても、それくらいは察しが付くか。




「多分、俺の気に当てられたんじゃろうな」




《吸血鬼の気は媚薬と似た効果があるから》とニヤリと笑いこちらを見た。





媚薬って…。





すると急に仁王君は真剣な顔になった。




「なぁ、弓弦?この事、誰かに言ったら………








俺はお前さんを殺すぜよ」







殺す…って、吸い殺すって事だよね。




『分かった。言わない、約束する』










……ん??









ふと、疑問に思ったことがある。