「成瀬くん、どこ行くの?」 教室まで迎えに行った私を迎えたのは、何か企んでいる成瀬くんだった。 何も言わず、黙って成瀬くんの後ろをついていく。 「ここ」 首でふいっと喫茶店を指す。 学校からちょっと離れた小さな喫茶店。 外観も室内も可愛らしく、成瀬くんの趣味とは思えないようなお店だ。 「まだ来てねぇか」 そう言って適当な席に座り、メニューに目を通す。