支店長、お手やわらかに!


…間違いない。

アタシはそのまま交差点の真ん中で立ち止まる。


「…支店長!
椥辻支店長っ!」


どうか
アタシに
気づいて。

そう思いながら大きな声で呼ぶ。


アタシの声に気づいた支店長も同じようにその場に立ち止まる。

そしてすごく驚いた顔をしてアタシを見た。


たくさんの人が歩く中アタシたち2人だけが立ち止まってる。

2人だけが時間の流れに取り残されたように。