「眠いのなら寝たらいい。 俺はもう寝ないから」 支店長はビジネスバックを上の棚に置きながら言った。 アタシはかけてもらっていたコートを脱いで支店長に返す。 ゆっくりと電車が走り出す。 街中でもないせいか外の景色は真っ暗。 窓に映った支店長の横顔を見つめながらアタシは言った。 「いいですよ…。 アタシ支店長となら… どこ行ったって平気です」