ミカンがいなくなって



二限目はそのまま保健室でサボって

俺たちは保健室にあったアイスノンで優の顔を必死に冷やした。



優の顔を冷やしながら俺は、優に感動していた。

自分の気持ちを言うのが苦手やのに……

あんなにしっかり言うてくれた優。




ミカンの言葉も胸に残ってる。

俺が優を大好きやからこそ、ミカンの気持ちもめっちゃ分かる…


俺、優を諦めろって言われても…多分、出来へんから。




優もミカンも強い。

俺ばっかり、情けないな……




優の目の腫れもだいぶひいて、三限目前の休み時間に教室に戻ると


一緒に戻ってきた俺と優を見て、教室中のやつが一斉に冷やかしてきた。




「大輔~!!内田さんに捨てられんで良かったなぁー!」


「お前らがあんな熱いカップルとは思ってへんかったわ!ぎゃはは」




みんな爆笑しながらバシバシ叩いて冷やかしてくる。

優は完全に萎縮して、俺の隣で真っ赤になってる。




俺はそんな優を、みんなの前で抱きしめて言う。





「せやで。だから誰も俺から優を取らんといてな!優に触ったヤツは、本気でしばくから!」




俺の言葉に、教室が爆発したようにドッと沸く。







「な、なんやねん?!どうしたこのクラスは…!」


予鈴がなって教室にきた先生も、俺たちの盛り上がりように驚いたようで、


その後「着席や!みんな着席しろ!!」と先生が叫んでも、しばらく授業にならなかった。