「うち、中1ん時から…ずっと…3年半も片思いしてたんやで…」


「ミカンちゃん…」


「でも大輔は優ちゃんみたいな子が好きやねんな……そりゃ、うちは全然脈なしやんな。でも、それをずっと認めたくなかって……優ちゃんを認めたくなかってん」



ミカンちゃんは頭をさげる。



「優ちゃん、ほんまにごめんなさい……あと……大輔も……しつこくしてゴメン……」




ミカンちゃんは顔をあげると、泣きながら大輔くんを見る。



「ただ、ほんまに好きやってん……自分が抑えられへんくらい……」




大輔くんも、泣きそうな顔になってる。




「うん…ありがとうなミカン。その気持ちと同じくらい俺も優が好きやから……応えてやれんくて、ごめんな」





ミカンちゃんはゴシゴシ涙を拭きながら、コクンと頷く。




「もうええよ…次は絶対、大輔よりイイ男と両思いになってみせるから…」


「そんな男なら、そこら中いっぱい転がってるわ」




大輔くんの言葉にミカンちゃんは笑う。




「ほな……そろそろうち、行こうかなー。もう今日はこのままサボって帰るから、教室には行かんけど……優ちゃん、担任に適当に言うといてくれへん?」


「え?私が…?」


「うん。うちから大輔とったんやから、それくらいしてもらわんと。そんで、うちも悪いこといっぱいしから、おあいこ様にせーへん?」


「おあいこ様…?」


「そう。おあいこ様やし、これからはうちのこと苦手とか思わんで欲しいな」




ミカンちゃんは、私に手を差し出す。

私は戸惑いつつも、その手にそっと応える。




「ほなこれで、ほんまの仲直りの握手な?」

「うん…ミカンちゃんありがとう…」

「それはうちも」





私とミカンちゃんは、笑い合う。

ようやくお互い心から笑いあえた気がする。






「先生にはちゃんと伝えておくね」


「うん。でも優ちゃんもそんな泣きはらした顔じゃ、ブサイクすぎてしばらく教室戻られへんな?」


「ひ、ひどい…」



ミカンちゃんは笑う。