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夢の中で、大好きな大輔くんが私の頭を優しく撫でてる。


神戸での楽しかった思い出……

あの時間に戻りたいなぁ。





遠くで名前を呼ばれた気がして、うっすら目をあける。


そしたら本当に、大輔くんがいた。



「大輔く「優……」



私の声を遮り、いきなり私を強く抱きしめる大輔くん。

びっくりしつつ、大輔くんの背中に手を回すと、その背中はなぜか少し震えている。



「……どうしたの?」

「優、ごめんな……昨日、ちゃんと説明しとかんくてごめん…」




そっか、大輔くん知ったんだ。

陽子ちゃんが話してくれたのかな…




「ううん。犬山くんにちゃんと聞いたから…私こそ、朝は冷たくしてごめんね…」


「優はなんも悪くない」




大輔くんは私の肩に頭をうずめる。


大輔くんの体温を感じて…張りつめていた気持ちがゆるんでいく。

また涙があふれ出す。




「優、ごめんな…つらかったやんな」


「う…ん…大輔くんのこと……信じたかったけど……色々言われて…」


「うん」


「私、なにも言い返せなくて……ちゃんと言いたかったのに…」



大輔くんは泣く私をさらにギュっと抱きしめる。




「俺、言うたから。みんなに、俺に優が必要なんやって……」


「大…輔く…ん」


「廊下で関係ないやつらもめっちゃ見てたから、きっとすぐ学校中のやつが知ると思う……俺は優がいないと生きていかれへん奴って」


「そんなこと…言ってくれたの?」


「言うた。これから先もずっと言い続ける」




そう言うと、体を少し離して私の頬を両手で包みこむ大輔くん。


大輔くんの瞳が、すこし濡れてる。




「優……俺のことまだ好きでいてくれる…?」

「当たり前だよ」




そのまま、私たちはキスをした。