ガララ…


俺は保健室の扉を開ける。



「おう、来たか」



先生の椅子に座ってスマホをいじっていた犬っちは、俺を見ると、スマホをしまって立ち上がる。




「内田さん多分寝てるわ」

「そっか……」

「お前とミカンのこと知ってるみたいやったから、一応フォローはしといたけど」

「そうなんや……いつもごめん」




おとなしい俺を見て、犬っちは首をかしげる。




「なんやねん?どうした?」

「いや……自分のアホさ加減に落ちこんでるねん」

「はは、まじか」




犬っちは静かに笑うと、そのまま保健室から出て行く。


保健室はシ…ンと静まりかえる。





「優…?」



俺はベッドのカーテンを開けながら、中の様子をうかがう。


優はシーツにくるまり、泣きはらした目で眠っていた。





俺はそっとカーテンの中へ入ると、ベッドに腰をかけて、優の頭にそっと触れる。




「優、ごめんな……」

 


つぶやいて、泣きそうになる。

俺……ほんまにダサい。



優を守るって誓ったのに……なにしてんねん。




優の頭に触れていると、優がうっすら瞳をあける。



「大輔く「優…」




優の声をさえぎり

俺はベッドの上の優を強く抱き締めた。