そのまま教室に向かう途中

今度は応援団の先輩に捕まった。



応援団の練習で、仲良くなった二年の先輩。




「大輔!今日の放課後カラオケ行くねんけどお前も来ん?」


「え?あーすいません、放課後はたぶん彼女と帰るんで…」


「はぁ?お前…彼女おったんか!年下のくせに生意気やぞ!」





先輩は目を丸くしてから俺の頭をぐりぐりする。

首をホールドされた状態で、俺は笑う。





「ほなカラオケに彼女も一緒に連れてきたらええやん!紹介しろや」


「いやー恥ずかしがり屋さんやから…どうやろ、難しいかもっす」


「あーまぁなぁ、先輩だらけやし余計に怖いかもなぁ」


「またカラオケ誘ってください!そん時は俺、行くんで」


「はは、オッケー」








先輩から解放されてようやく教室にたどりつくと、優は教室にいなかった。





スクールバッグだけが優の机に置かれてる。

学校には来てるけど、トイレでも行ってるんかな?




俺が自分の席につくと、前の席のミカンが声をかけてくる。



「大輔!お、おはよ!」


「おー、おはよ」


「あ、あのさ……打ち上げの時やねんけど……ほんまごめん!」


「ん?ああ、ええよ」




俺がはにかむと、ミカンはホッとした表情になる。


その内にミヤモと愛が登校してきて、俺はそっちに行く。




優、早く戻ってこんかなー…