そう言って、大輔くんは私を見る。



「俺、めっちゃ嫌なこと言うてるな。犬っちが優と俺のためにしてくれたの分かるのに」

「大輔くん…」

「せやけど……理屈やなくて嫌やねん」




大輔くんの気持ちがわかる私は、小さく頷く。

私も同じような気持ちによくなるよ…





「ほんまは束縛とかしたくないねんけど……せやから、こういうの言うのは、今日で最後にするようにする!」





大輔くんは気を引き締め直すように、自分の頬を一度パンッとする。




「あとな?俺の応援団のパフォーマンスは当日のお楽しみやから見たらアカンで!」


「え?見たらだめなの?」


「うん、あかん!秘密にしといて、当日に優を惚れ直させる計画やねんから」



大輔くんはそういうとニコッと笑う。








季節は徐々に秋に変わっていく。


体育祭が始まる。