犬山くんは私の背中を強めにポンッ!と叩く。



「せっかくおもろいキャラしてんのにもったいないで、内田さん」


犬山くんはニコッと笑う。



私は……犬山くんがクラスのみんなにリーダーのように慕われる理由がわかった。




容姿が目立つとか、騒がしいからだけじゃなかったんだ。


犬山くんは遊園地の時にも、私とミカンちゃんを、そして大輔くんを取り持ってくれた。
 


なのに私、お礼もちゃんと言ってないって今気付いた。





「犬山くん、ありがとう…」

「ははっ、まじめか」



私が小声でいうと、犬山くんは笑った。