遠くから、私を呼ぶ声が聞こえた気がする。





私は声のした方を向く。



すると、この公園に向かって坂を上って走っている大輔くんの姿が見える。


え?



私はベンチから立ち上がる。


「優ーーー!!」



大輔くんは公園の入り口まで走ってから、入り口のポールに手をついて、頭を下げて肩で大きく息をしている。



うつむく大輔くんの髪の先から汗がポタポタと落ちる。




「優……みつけた」



私はタオルを持って大輔くんに近づく。