「いきなりそんな、見つめんといてやぁ」


木下君は冗談っぽく笑う。


「あ…うん」



私は赤くなって目を反らす。



木下君がカッコよすぎて胸がドキドキする。


恥ずかしさから逃げるように、私は慌てて改札に向かい切符を買おうとする。



「と、どこの駅まで買えば良いのかな?」




そう言う私のすぐ後ろに、木下君が立つ。

木下君は私のポニーテールに軽く触れながら



「優、めっちゃ可愛い…」


と、耳元で少しぎこちなく言ってくれた。