公園にはふたつのベンチと小さな滑り台があった。



私たちの高校は長い坂の上にあって、教室の窓からは街が遠くまで見えるんだけど、



ベンチに座ると、この場所からも同じように木々の向こう側に遠くの景色が見えた。





こじんまりしてあまり知られていなさそうな公園。

だけど、ここの雰囲気……すごく落ち着く。




「良い場所だね」

「やろ?俺の好きな場所やねん」



木下君は笑った。