手の中の蝶々



そして、煮え切らないまま朝に。


『夂ー葉ーさんっ!』

「…ん…」

『あっさだよー!』

「っ!!」

私は途端、布団から飛び起きる。


先生に起こされてしまった!!
って事は時間かなりヤバい!?!?

しかし時計を見ると、全然問題ない時間で。


「…今日は早いね」

『たまにはねー』


そう言って自信満々にリビングに向かった先生の後頭部には…

可愛らしい角が。


「なんで早起きしたのに直さないの…」

『え?だって、夂葉さんが直してくれるでしょ?』

「え……」


なんで、そんな事。
波内さんが直してくれるんじゃ…

でも、今になって気付くと、私が最初の一回以来先生の髪の毛に触れていないのは、いつも時間がなかったからだった。


「別に…やってもいいけど…」

『やった!じゃあ、お願いねっ!』



私は、先生が嫌いなのに


『夂葉さんて器用だよねー』


しゃがんだ先生の髪の毛に触れて

「ふ、普通だって……」


こんなにも緊張してる。