手の中の蝶々



話終わった後、託さんの様子が気になって、安全運転する託さんの表情を伺う。


すると、その表情は……、凄く楽しそうで、全てを分かったようなニンマリ顔。


「何がそんなに楽しいんですか?」

ちょっぴり、イラ。


私は真剣なのに。
学校で、あんなにイライラして、むしゃくしゃして、その大きな感情の理由を必死で見つけたのに。


『いや、だってさぁ…』


どにかく私は、先生が……


『それってヤキモチじゃない?』

嫌い……で………


「はぁ…っ?」


『だから、ヤキモチ!嫉妬、ジェラシー!』


ヤキモチ?
意味が分からない。
どっからどうなったら今の話でそうなるんだ…!


「あり得ません」


『ちーちゃんが分かってないだけだってば』


「ちっ……!」


そう言えばそんなあだ名があったな…。

しかしそんな事より、私の頭に浮かぶのは、学校での波内さんと先生の姿と…、ヤキモチの文字で。


「わっ、わけ分かんない…」


頭が追い付かなくて、私は両手で頭を押さえ付ける。


『可愛いなぁ…うぶで』


「なんか言いました…?」


『なぁんにもっ。ほら、着いたよ。降りた降りた〜、よしっ、んじゃあねっ!バイバイっちーちゃん!』

「なっ、ちょっと!託さん…!どういう事なのか説明して下さいよー!!」


風のスピードで去っていった託さんの車のお尻に向かって精一杯叫ぶが、どんどん離れていき、角を曲がった所で見えなくなってしまった。