手の中の蝶々



『エプロン素敵です…!』


こんな台詞を耳にする場所は勿論学校ではなく。


変人の住みかである場所。



呆れながらもエプロン着用は全うしなければならない。


「…髪の毛ちゃんとなってますね」

何故か出た言葉。

『あ、そうそう。波内さんがやってくれてね――』

知ってる。
いたもん。見てたもん。


『アイロンでちゃちゃーっとね――』


私は寝癖直しだけだもん、どうせ。

ニコニコ話す先生に、私は卑屈になるばかりで。






『女の子らしくて、可愛いよね』





先生の言葉が一際大きく聞こえて。


破壊力を、増す。





蝶々なんて、美を愛でるものが私なら、

私の美は何をさすのか。






今の私は、ちっとも美しくなくて。


意味の分からない気持ちで自分の全部が一杯になって。
体からキャパ漏れしたそれは、行動として姿を見せつつあって。



隠しきれない、美の反対。