手の中の蝶々



得体の知れない先生は、今日も元気に教壇に立つ。


『はいっ、それでは今日も1日頑張りましょうねっ』

出席簿を閉じて、微笑む先生。


って、その寝癖で言われても…!

でもそんな先生を気に掛ける生徒が1人。


『先生、直してあげる』


波内さんだ。


『あ…。すいませんねぇ』


しゃがむ先生も先生だ。
馬鹿じゃないの。
でれでれしちゃって。
ちょっと早く起きれば私が直してあげるのに。



―触れる白い指先。
―白い頬に咲く淡紅色の花。



嫌なの?私に直されたくないから起きないの?
私には触れられたくないの?



―撫でる手は柔らかで。
―笑う先生を見て、花は咲き誇る。


じゃあ、毎日波内さんに世話してもらったらいいんじゃない。



「……っ」


知らず知らずに握っていたプリントはぐちゃぐちゃで。











だから触らないでってば。