手の中の蝶々



一段とスピードをあげた先生に着いていくのは不可能で。


それでも精一杯足を動かす。


寝坊したのは先生なのに!
こんなのって酷い!!
明日は起こしてやんないもんね。


先生に不満を抱いていると、やっと見えてきた学校の門。


良かった……間に合った…。


『おはよーございまーす』

「はぁ!?!?」

そこには、他の先生に混ざっていけしゃあしゃあと登校する生徒に挨拶する先生。



有り得ない!!
無理でしょ!!
鞄ないし一回職員室行ったんだよね!?
人間業じゃない……何者なんだ、先生…。



『桜木さん、遅刻ギリギリですよ!もう少し早く家をでましょうねっっ』

「それは先生が……っ!」

『先生が、何ですか?』

「ぐっ……」


ニッコリ笑う先生。

周りには他の先生も生徒もいて。


ましてや、私の言葉の続きなんて屈辱による怒りに任せて大きな声で言える内容なんかじゃない。


だから、言葉を詰まらせるしか出来ない。


「ふんっ!」

挙げ句の果ていかにも子供っぽい怒りの意思表示をして、教室に向かった。