手の中の蝶々



何で、こんなことしてるだろう。


自分の身につけている淡い水色の生地を摘んで眺める。



私は黒い塊を抱えたまま、学校を終え、帰宅した。


机にあったのは例のごとくエプロンで。
今日は淡い水色のバックにストライプ柄。



…普通で良かった。


次は一体どんな代物が出てくるのか…と不安だったけど、これなら何の問題もない。






時は過ぎ………先生が帰宅する頃。


机の上に完成した料理を並べていると、置いてある紙に気付いた。



「……?」


手にとって見ると、綴られているアノ字。


『今日は僕が帰ってきたら"お帰りなさい、貴男"って言ってね!


…言わなかったら、どうなるかなぁ…』



綺麗な字…。
に見合わない内容。


「っ……」


しかし私の頭に浮かぶのは昨日味わった先生で。


それが私を支配する。




「おかっお帰りなさい………あああなた……」


一応練習してみる。


よし、大丈夫。


言うだけだし、別にどうってことない。
いけるいける。



私が決心した所で、チャイムが鳴った。