手の中の蝶々



机に向かい、ペンを滑らせる。



――キーンコーンカーンコーン



そして授業終了の鐘が校舎に鳴り渡り、生徒達は席を立ち上がる。



疲れたぁ。


うーん、と後ろに仰け反る。
特に、する事もないし。

座って次の授業開始を待つだけ。
隣では女子同士の会話が聞こえるけど。


『でねでね、あのプリ機超詐欺れるし最高!』


プリキ超サギレルし最高……?


一体何の話だ。


キャアキャア言ってる女子の会話を聞きながら、あぁもう私おばさんかな、なんて思う。


私には縁の無さそうな話だと言う事だけ薄ら分かる。



『どうしたの…?桜木さん』


「へ?あぁ…いや……」


しまった。見すぎた。


私の視線を感じ取った女子生徒が私に話し掛けてきたのだ。



「何の話かなぁ…って」


私は無駄に緊張してしまって。
手は不自然に髪の毛を弄る。


『んー、プリクラの話。見る?』


そう言ってその女子が私に向かって差し出したのは、色鮮やかなプリクラ。


流石にプリクラくらい知ってる。

あ、プリキじゃなくてプリ機ね。
でもサギレルって何!?!?


私が言葉の解剖を試みていると、またまた女子の声。


『見て、これ1番詐欺れたと思うんだけど!』


そう言って指差した先を辿ると、背景が黒色の物。