手の中の蝶々



「先生!起きて!!」


窓からは日差しが差し込み、天気上々。


なのに先生は、まだお休みで。


昨日のことで警戒中の私だが、このままだと遅刻してしまう…、と先生をおこす。


それがなかなか起きない。


「先生!」

『んー』

さっきからこんなんばっか!


「遅刻してもしらないから!!」

『……え!?』

遅刻の言葉に一気に目が覚めた様子の先生は飛び起きた。


……かと思えば私をジッと見てから、いじけたように布団に戻っていく先生。


「…?先生?」

『なんで……』

「ん?」


意味不明の先生の行動にハテナマークばかりが増殖。


『…なんでエプロンつけてないの!!!!』


……あぁ、なんだそんなことか。
全く……。


「時間がないの!」


『いいえ!そんなの言い訳!!着ないと起きない!』


そう言って布団に潜り込む先生。


ってあんた子供じゃないんだから……


しかしそんな悠長な事も言ってられない。


「もう…」

私は机の上に置いてあったエプロンを引っ掴み、装着する。


「ほら!これでいいんでしょ!」

布団から頭だけを出して確かめるように、私の足先から頭までを見る。


『完っ璧!最高!!起きる起きる!!』


軽快な足取りで洗面所に向かって行った先生。

暫くして水の流れる音が聞こえた。
顔でも洗っているんだろう。



「朝から疲れる……」



私の落胆は機嫌の良い先生には内緒に。