手の中の蝶々




「…もう食べられますけど先お風呂がいいですか?」


『…なんて輝く台詞!』


「はぁ??」


『でもできれば、ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・しっ?でお願いします!』




……………。
お願いするなぁああ!!!


「特に最後のは可笑しすぎます!笑えません!!」



私達は夫婦じゃないんだから。
せめて最後の選択肢は除去すべきだろう。



『雰囲気だけでも!!』


「絶対嫌です」


『残念です…いつか言って下さいね?』


「はいはいいつかですねー」



しつこいので適当に流して、お皿にご飯を盛る。




『"いつか"の前借りはできますか!?!?』



「できません」



『そうですか…仕方ありません。大人しくカレー食べます…』



おぉっ!大人らしいところとの出会いに感動です、先生。




上着を脱いで、スプーンを2つ用意する先生。




『美味しそうな匂いですね』



カレーを楽しみに待つ先生の様子をみてたらなんだか顔が綻ぶ。





『「いただきます」』




2人で手を合わせて、向かい合わせ。



あ、先生甘口で良かったのかな?