手の中の蝶々




―ピンポーン



甘口のカレーの匂いが部屋に立ち込める頃、来客を知らせるインターフォンが鳴った。




誰だろ?
先生だったら鍵持ってるよね…?


「はい」


先生じゃないだろうという予想の下、ドアを開けると、そこには予想に反する人物


『ただいまです』



…先生。



「鍵持ってるんだから自分で開けて下さいよ」


私が素っ気ない返事をしながらドアを開けると、

お出迎えが嬉しいのか、ニヤニヤする先生。



気持ち悪いんだけど…。