託さんと別れて、私は階段を上がってドアの前まできた。
「よっこいせ」
ポケットからスペアキーをだすために一旦荷物を地べたに置く。
ポケットに手を突っ込んで、キーホルダーを掴む。
それを引き出すと、後に続いて出てきたのがスペアキー。
家の机の引き出しでリボンのキーホルダーを見つけたので、丁度良いとスペアキーにつけておいたのだ。
そしてそのスペアキーを鍵穴に差して右に捻る。
足でドアを開けながら、荷物を持って家へ入る。
足癖は悪いが仕方ない。
靴を脱いでリビングに向かい、スーパーの袋から食材を取り出し、冷やさなきゃいけないものを冷蔵庫に入れる。
…これで少しは冷蔵庫が豊になった。
「って、これってまさか…」
早速カレーを作り出そうと、用意に取り掛かった時、きちんと畳まれたある物が目に入った。
午前中には何かとバタバタしていて気が付かなかったけど……、
「これ着ろってことか…」
私が見つけてしまったのは、今日着用しなきゃいけないんであろう、エプロン。
ピンクの背景に大きめな白いドット。
…可愛いくて汚しづらい。
なんて用途にあってないの……っ!



