手の中の蝶々



『そんなに買ってさぁ〜、主婦みたいだね』


「主婦なんで」


『え!!!?ちょ、え?海の……?あいつ結こ……っ!!聞いてねぇ!!』



なんてからかいがいのある……



私が友達さんの言葉に冗談で乗っかってみると、予想以上の反応を見せてくれた。




「なわけないでしょ?嘘です、嘘」


『へ?あ……そうだよねっ!あぁ〜びっくりしたー』


胸に手を当てて息をつく友達さん。



『てゆうかさ……聞いていいのか迷ったんだけど……。制服……だよね?海の……生徒ってこと?』

運転中なので、前を見ながら私に問う友達さん。




あ、そっか。
前は制服じゃなかった。





「そうです。生徒ですよ…?」



生徒だったら悪いのか?


と思い、言葉を発した途端に後悔した。





『……海、生徒に手ぇ出してんのかよ』



「…あっ!えっと、違いますっ!」




顔を渋らせた友達さんに、先生の信用が危機だと、慌てて否定する。



そうだそうだ……っ!
家から出てきたのも見られてるし、今スーパーで買い物してたのも、私が手に持つ食料品で分かるはずだし…。




そう思われるのは仕方ない。