手の中の蝶々



『先生寝癖ついてるっ!』


私が教科書類を用意して、さぁ今から黒板を映そう、とペンを握った時。



1人の女生徒が笑いながら発した言葉。





そして間もなく

『本当だ〜』

とか、他生徒の聞こえだす。



私は今まではそういう盛り上がりには参加はしなかったのだが、




気付けば先生の頭を見ていて。






あ、本当だ。
ピョンて跳ねてる。




先生の髪の毛は

後ろ髪の一塊がピョコンとなってる状態。




『え?本当ですか?
今日朝寝坊したもので…』



そう言いながらチョーク片手に頭を押さえる先生だけど、



それならあんなメモ、後回しでいいのに



と思ってしまう。



『とにかく僕の寝癖は放っておいて、授業進めますよ!』


しかし、先生が切り返したおかげで授業は再開。








でも私は後ろの女子2人の小声での会話に驚く。


『先生頻繁に寝癖ついてるよね〜』

『そうそう!なんか可愛いよね』


ひっ、頻繁に寝癖つけてんの!?
恥ずかし!


私本当に前まで先生のことなんて見てなかったんだ…。



しかも可愛いって……。




家でエプロンコレクションしてる人が?



なんてまさか、振り返って言う勇気もなく。





次からは私が直さなきゃ。



なんて思いながら、授業を受けていた。