手の中の蝶々



時間は変わって、家の前…。



お姉ちゃんは勿論家をでてる頃なのでいない。




ガチャ、と扉を開けて、靴を確認する。




大丈夫だ、


良かった。




私は部屋に向かって、ボストンバックに必要だと思う物を詰めた。



結構重……っ





そうしてパンパンになったバッグは、肩にずしりとくる重さだった。




「時間かかりそー…」




玄関にいき、靴を履いて、外へ踏み出す。





「さよなら」


家に一礼して、肩に重みを感じながら歩きだした。






それにしても重いっ!






これでも最小限にしたつもりなのに…。






ひいひい言いながら、何度も掛ける肩を変えて、新しい私の家へと向かう。





「休憩……っ」



ドカッとバッグを地面において、一息つく。





あー、もう、誰か車で送ってくれないかな。






ってのは冗談だったんだけど…





なのに、私の横に車が止まった。



「……?」



まさか、本当に送って貰えるなんて思ってないんだけど。



怪し……



私が不信な目で車を見ていると、窓が開いた。



中から覗いているのは………



『こんにちは、重そうだし、乗る?』



誰………?


こんな金金頭に知り合いはいない。



車に乗っていたのは、金髪の、イカした兄ちゃんだった。




怪しすぎるんだけど。