手の中の蝶々



『僕を薄情者にしたいんですか…?』


「いえ…?別に」


『なら大人しくベッドで寝なさい』


そう言って無理矢理ベッドに座らされる。




こう言ってくれてるんだし…


ここで余りにも断るのって、ちょっとウザイよね…。




「…ありがとうございます」




ってことで素直に眠らせてもらおう。




『明日友達から敷き布団とかその他を借りておきますね』


ソファーに寝転びながら言う先生。


あ…、例のお友達。

一体どんな人なんだろう。



『駄目だ…ねむ………』


そしてその一言から、先生の起きてる様子はなくなった。





「おやすみなさい…」


予想外で、急展開だった今日1日。


家を出た時にはまさか、担任の家で一緒に住むなんて考えもしなかった。



…明日は荷物運ばなきゃ………





「私も眠いや………」



他にも考えなきゃいけないことはあるのに、布団をかぶると、なんだか眠さが再び蘇ってきて。





私は先生の匂いの染み付いた布団で、眠りについた。